2001年8月24日は、人気グループ「SMAP」の稲垣吾郎道交法違反、公務執行妨害の現行犯で警視庁渋谷署に逮捕された日である。

この日、渋谷に買い物に来た稲垣は駐車禁止場所に乗用車を止めていた。パトロール中の警官がこれを見つけ、戻ってきた稲垣に反則切符を切ろうとしたところ、稲垣は何を思ったか車に乗り込み急発進。立ちはだかった女性巡査と接触し、全治5日間のケガを負わせた。

ちなみに駐車違反の反則金は1万円から1万5000円程度。人気タレントの稲垣にしてみれば屁でもない額だ。黙って罰金を払えばそれで済んだのに、バカなことをしたというのがおおかたの感想だと思う。

稲垣はなぜそんなに慌てて逃げようとしたのか。

『スキャンダル大戦争1』(鹿砦社)は、留置場で稲垣と一緒だったという男性の手紙を元に、稲垣は薬物犯罪で逮捕される“心当たり”があったから、と断じている。

『週刊文春』も稲垣が薬物犯罪を犯し、さらには事務所がその隠蔽を行ったとする記事を書き、稲垣サイドから訴えられている。

そう書きたくなるほど、稲垣の慌てぶりが不自然にうつったということだろう。

なにしろ、このときSMAPはコンサートツアーの真っ最中であり、翌25日にはナゴヤドーム公演を控えていた。稲垣は「SMAP×SMAP」、「特命リサーチ200X」などの人気番組のレギュラーでもある。4本のCMにも出演している。

第三者から見ても、そうした立場の重さと、「通行人に(自分が稲垣だと)気づかれたため」(スポニチアネックス)という稲垣の“些細な”言い分は、ずいぶんと釣り合いが悪いと感じられるのだ。

この事件、「平成の芸能裁判大全」(鹿砦社)に詳しい。